マーベロンは21錠全て成分の配合が同じである一相性ピルです。三相性と違い、服用する錠剤の順番を意識せずにすむ事、また生理日の調整も簡単というメリットがあります。
日本の病院でよく処方されており、安全性が高いとされています。
21錠と28錠の違いは、プラセボといわれる飲み忘れを防ぐ偽薬の有無の違いであり、配合されているホルモン量に違いはありません。
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マーベロンの成分・特徴
マーベロンには黄体ホルモンと卵胞ホルモンの2種類の合成女性ホルモンが含まれています。この2つのホルモンの働きにより、脳の視床下部や下垂体が妊娠していると思い込み、排卵をストップさせます。排卵が行われないと妊娠はできませんので、避妊効果が得られるというわけです。
マーベロンの黄体ホルモンの成分はデソゲストレル、卵胞ホルモンの成分はエチニルエストラジオールです。
マーベロンはこの2つの合成女性ホルモンが21日分全て同じ量で配合されています。
マーベロン錠剤の種類 | デソゲストレル (黄体ホルモン) | エチニルエストラジオール (卵胞ホルモン) |
1日目~21日目の白い錠剤(21錠) | 0.05mg | 0.03mg |
マーベロンの分類
マーベロンは「第3世代」「一相性」ピルという分類になります。
「第○世代」というのは、黄体ホルモン剤の開発の順番によって区切られており、現在、第1世代~第4世代があります。マーベロンに含まれる黄体ホルモン「デソゲストレル」は「第3世代」の区分になります。
日本の低用量ピルの中では長い期間処方されているものですので、効果の高さと安全性に信頼がおけます。
「一相性」は、21錠ずべてが同じ成分の女性ホルモンを含んでいます。
マーベロンの服用方法
1日1錠、決められた順番で服用します。また、ピルは飲み忘れ厳禁です。
飲み忘れを防ぐためには、毎日同じ時間に飲む、毎日行う行動と一緒に服用するなど(例えば夜の歯磨きのあと)工夫をしている女性が多いようです。
また、服用はなるべく食後にすることをお勧めします。食後に摂ることで、胃腸への負担を軽くするためです。
いつから、どのタイミングで飲み始めたらいい?
通常、マーベロンは生理の初日に最初の1錠を飲み始めます。
また、生理初日から服用ができなかった(生理2日目以降7日以内)場合でも、服用を始めることは可能ですが、その場合避妊効果が低くなります。2週間はセックスを控えるか、他の避妊法を併用しましょう。
生理が終わった後(7日目以降)に服用を始めることはおすすめできません。なぜなら、もう既に体内では排卵の準備が行われている可能性が高いからです。
次の生理日を待って飲み始めましょう。
飲み始めて避妊効果が出始めるのはいつ?
生理の初日から1錠目を服用すれば、その日から避妊効果が得られます。
メカニズムを説明すると、女性の卵巣は、月経が開始すると、その時から次の排卵準備を始めます。
しかし生理開始から24時間以内の時点では、排卵準備はまだ本格化していません。
そのため、そこでピルを服用すると排卵準備をストップすることができ、「その周期での排卵は起こらない」状態になります。
ピルの服用開始が生理初日となっているのは、そのためです。
しかし、生理開始から24時間以上経過してしまうと卵巣では排卵準備がスタートしてしまった状態になります。
ここでピルの服用を開始すると、排卵準備が落ち着くまでに時間が必要となり、確実に排卵をストップするのに2週間程度の時間がかかります。
しかし、この期間も生理2日目~7日目までです。
それ以降、8日目となると、もう完全に卵巣は排卵準備をスタートしてしまっていると考えたほうがよいでしょう。
この期間にピルを服用し始め、2週間が経過したとしても、ひょっとしたら妊娠する可能性があるという事です。
マーベロンを飲み忘れたら?
気をつけていても、「飲み忘れてしまった!」ということは良くあると思います。
1日飲み忘れた日にセックスをして「妊娠してしまうの?!」とあわてなくても大丈夫です。
基本的に7日間以上実薬を服用していれば卵巣は休眠状態となっているため、妊娠する可能性は低いです。
ただ、2日(2錠)以上飲み忘れていたり、服用がまだ連続して7日経過していない時は、妊娠する危険性があります。
飲み忘れた場合(12時間~24時間)
毎日午後23時に服用していた人が、次の日の朝8時に服用するのを思い出した場合です。
思い出した時点ですぐに飲み忘れた分を服用します。
そして、その日の23時、その日の分を通常通り服用します。
1日に2錠飲むことになりますが心配はいりません。
飲み忘れた場合(24時間)
毎日午後23時に服用していた人が、昨日の23時にピルを服用していなかった事を次の日の23時に思い出した場合です。
思い出したときに、昨日の分と今日の分の2錠を服用します。
1日に2錠飲むことになりますが心配はいりません。
飲み忘れた場合(48時間経過)
2日間2錠、飲み忘れていることを3日目に気付いた場合です。
これには2つ方法があります。
そのまま1シート服用し続ける方法
気付いた時点で、昨日服用するはずだった分と、今日の分を服用します。
1日目の分は服用しません。要するに、1日分飛ばすということです。
消退出血(生理)を起こしたくない、または7日以上実薬を服用し続けていて避妊効果を持続させたいと考える人はこの方法を選ぶとよいでしょう。
しかし、この方法は不正出血を起こす可能性があります。
また、この方法は実薬を服用し続けていた日数によって対処が変わってきます。
【1】第1週に飲み忘れた場合
休薬期間または第1週に性交渉を行った場合には緊急避妊を検討する
【2】第2週に飲み忘れた場合
直前7日間に連続して正しく服用した場合には緊急避妊は必要ない
【3】第3週に飲み忘れた場合
休薬期間を設けず、現在のシートの実薬を終了したらすぐに次のシートを始める
参考資料:低用量経口避妊薬、低用量エストロゲン・プロゲストーゲン配合剤のガイドライン(案)/日本産婦人科学会(平成27年3月): PDF」
実薬を1日~6日しか服用していない時に2日以上飲み忘れていて、セックスをした場合は緊急避妊を検討しましょう。
妊娠する可能性があるからです。
7日連続して実薬を服用していた場合は、そのまま上記の方法で1日分服用をとばし、1シート服用し続けて大丈夫です。
21日以上服用していて2日間服用を忘れていた場合は、その月は消退出血(生理)をおこさず、2シート目を服用し始めます。
そのまま服用をいったんストップし生理をおこす
48時間飲み忘れた場合のポピュラーな方法です。
婦人科ではこの方法を推奨する先生が多いでしょう。
このまま、あと5日間服用をストップし、生理をおこします。
そして7日間の休薬期間のあと、新たな1シートを服用し始めます。
飲んでいる途中のシートは生理を遅らせたいときに使えるので、保管しておくとよいでしょう。