低容量ピル・アフターピルの購入・処方・避妊についてまとめました

ピルについて

「ピル」とは女性が服用する避妊薬のことを言います。
ピルには女性の卵巣から分泌される黄体ホルモンの「プロゲステロン」と卵胞ホルモン「エストロゲン」を化学的に合成して作られたものが含まれています。
含まれる卵胞ホルモンの量によって「高用量」「中用量」「低用量」に分かれます。
高用量ピルは主に重い婦人科系疾患の人に処方され、服用には必ず医師の診断が必要とされます。
中用量ピルは生理日を調整する目的の場合や、アフターピル等で処方されます。
いずれも、効果は強いのですが吐き気や食欲不振などの副作用が出やすくなります。
現在、避妊目的や整肌治療目的では、低用量ピルの処方が主流です。

連続して服用することで避妊効果を得る「低用量ピル」

日本ではもともと生理不順などの治療目的のため「高用量ピル」「中用量ピル」が使用されていました。
しかし、高用量、中用量ともに含まれるホルモン量が多く、副作用や血栓症のリスクがありました。
また、「避妊」目的でいうと、男性主導のコンドームが一般的でした。
しかし1999年、最小限のホルモン量で最大限の避妊効果を発揮する「低用量ピル」が承認され、副作用や血栓症のリスクを大幅に抑えた上で、女性主導で避妊を行えるようになりました。
低用量ピルは21日間連続して実薬を服用し、そのあと7日間休薬期間を設けます。
7日間の間に消退出血(生理)が起きます。
これを1周期と数え、この間避妊効果が持続します。

性交後72時間以内に服用して妊娠を防ぐ「アフターピル」

避妊をせずに性行為を行ってしまった、コンドームが破れてしまった、または性行為を強要された後等、望まない妊娠を防ぐために服用するピルを「アフターピル」と言います
「緊急避妊薬」「緊急避妊ピル」という名称で呼ばれることもあります。
アフターピルは性交後72時間以内に服用することで効果を発揮します。
しかも性交後、服用が早ければ早いほど、避妊の成功率は高まります。
アフターピルには2種類ありますが、どちらも黄体ホルモン(ブロゲストーゲン)を多く摂取することで、子宮内膜を無理矢理剥がし(生理)、受精卵が子宮に着床しないようにすることで、妊娠を防ぎます。
「ひょっとしたら妊娠してしまうかも」「この日は危ない日ではなかったけどもしかしたら・・・」
など、不安にかられて生理が来るのを待つより、クリニックで処方してもらったほうが安心ですし、確実です。
学生の人は保険証や診察券を持参できない場合があるかもしれませんが、アフターピルは自費診療であり、両親や学校に知られることなく処方してもらえますので、近くのレディースクリニックや産婦人科へ問い合わせてみましょう。

低用量ピルの避妊メカニズム

なぜ、低用量ピルを服用すると、避妊できるのでしょうか?
まず、低用量ピルを飲むと、体内で2種類の女性ホルモン(プロゲストーゲンとエストロゲン)が血液中を循環します。
すると、脳は妊娠したものと判断し、排卵を起こさなくさせるのです
排卵が起こらなければ、たとえ精子が子宮内へ入っても、受精は行われませんので妊娠は成立しません。
また、
・受精卵が着床しにくい子宮内膜を保つ
・子宮内への精子の侵入を防ぐ
という2つの作用も、より避妊効果を確実にしています。

低用量ピル服用のメリット

低用量ピルには様々なメリットがあります。
まずは「避妊効果」。正しく服用すれば99.9%の避妊効果が期待できるとされています。
また、 服用すると>生理の周期が整います。
21日間の実薬服用期間と7日間の休薬期間を設ける事で、生理周期が規則正しくなるのです。
また、月経困難症による生理痛や経血量の軽減、卵巣がんや子宮体がんの予防、ニキビ改善など様々な副効果があります。

低用量ピル服用の副作用

低用量ピルは安全な薬ですが、「薬」ですので、副作用が現れることがあります。
ほとんどの副作用は2~3ヶ月の服用で落ち着いてくることがほとんどですが、稀に服用しているピルが合わない、 いつまでたっても重い副作用が現れる、という場合があります。
その際はお医者様に相談しましょう。
低用量ピルの副作用には、吐き気、頭痛、だるさの他、重大な副作用として血液が固まりやすくなる事で起こる、血栓症や心筋梗塞があります。
だからといってやみくもに副作用を怖がるのではなく、どのような副作用があるのか、どのような症状が起きるのか、またその時の対処について知識を深め、定期的な健康診断で自分の体調を把握しておくことが大切です。